潜在意識・催眠術・本当の自分

16-02 | RASが見える世界を決めている

あなたはなぜ、人によって同じ状況でも全く異なる「現実」を見るのでしょうか。例えば、同じ経済危機に直面しているビジネス環境でも、ある人には「絶望的な状況」に見えるかもしれません。別の人には「大きなチャンスの時代」に見えるかもしれません。

この違いは、実は彼らが直面している状況が異なるからではなく、彼らのRASが異なる「現実」をフィルタリングしているからなのです。つまり、RASが見える世界を決めているのです。

ここが非常に重要なポイントです。多くの人が「現実は客観的である」と思っています。ですが実は、あなたが見ている世界は、あなたのRASが作り出した主観的な現実なのです。そしてその主観的な現実が、あなたの行動を決め、結果として客観的な現実も変わるのです。

RASが作り出す「複数の現実」

同じ状況に直面した5人の人がいるとします。その状況は「ビジネス競合が現れた」というものです。では、彼らのRASは、その状況をどのように見るでしょうか。

人A:脅威を見る

彼のRASは「競合による脅威」に注意を向けます。彼は思います:「新しい競合が現れた。彼らは私より優れているかもしれない。私は市場シェアを失うかもしれない。これは危険だ」

その結果として、人Aは恐怖に基づいて行動します。彼は防守的になり、既存のビジネスにしがみつくのです。

人B:チャレンジを見る

彼のRASは「自分の実力を試す機会」に注意を向けます。彼は思います:「新しい競合が現れた。これは自分を成長させる機会だ。彼らとの競争を通じて、自分はより優れていくことができる」

その結果として、人Bはモチベーションに基づいて行動します。彼は自分を磨き、ビジネスを強化するのです。

人C:提携の可能性を見る

彼のRASは「協業の可能性」に注意を向けます。彼は思います:「新しい競合が現れた。だが彼らと協業すれば、私たちはより大きな市場に到達できるかもしれない。競合ではなく、パートナーになる可能性があるのではないか」

その結果として、人Cはコラボレーションに基づいて行動します。彼は相手に接触し、パートナーシップを提案するのです。

人D:市場全体の成長を見る

彼のRASは「市場全体の拡大」に注意を向けます。彼は思います:「新しい競合が現れたということは、この市場が注目されているということだ。市場全体が成長する可能性がある。私たちは一緒に市場を拡大できるかもしれない」

その結果として、人Dはマクロ的な視点に基づいて行動します。彼は市場全体の成長に投資し、全員で成長するような戦略を立てるのです。

人E:何も見ない

彼のRASはその情報をフィルタリング対象外と判断しました。彼は思います:「新しい競合?そんなことは私の問題ではない。私は自分のビジネスに集中する」

その結果として、人Eはそれまでと変わらない行動をしているのです。

同じ状況に直面していながら、5人は全く異なる「現実」を見ているのです。そしてその異なる現実が、彼らを全く異なる結果へ導くのです。

RASがもたらす「自己成就的予言」

ここで興味深い現象が起こります。それが「自己成就的予言」です。

RASが「脅威」を見た人Aは、その脅威に基づいて防守的な行動をします。その防守的な行動の結果として、彼は新しいことを試さず、市場での存在感を失い、実際に競合に負けてしまうのです。つまり、彼が見た「脅威という現実」が、本当に起こったのです。

RASが「チャンス」を見た人Bは、その機会に基づいてチャレンジします。その積極的な行動の結果として、彼は自分を磨き、より強いビジネスを作ることができるのです。つまり、彼が見た「チャンスという現実」が、本当に起こったのです。

ここが最も重要なポイントです。あなたのRASが見る「現実」が、あなたの行動を決め、その行動が本当の現実を作るのです。つまり、あなたの人生の現実は、あなたのRASが作っているのです。

RASをコントロールするための実践的アプローチ

では、あなたのRASをコントロールして、異なる「現実」を見るようにするには、どうしたらよいのでしょうか。

方法1:明確な目標の設定

RASは「目標に関連する情報」に注意を向けます。あなたが明確な目標を設定すれば、RASは自動的にその目標に関連する情報に注意を向けるようになるのです。

例えば「月50万円の収入を得たい」という目標を設定したとします。その瞬間から、あなたのRASは「副業」「スキル」「顧客獲得」などの情報に敏感に反応するようになります。

方法2:繰り返しのフォーカス

RASは「繰り返し注意を向けられたもの」を、より重要だと判断します。毎日、あなたが何に注意を向けているか。それが、あなたのRASの設定値を決めるのです。

例えば、毎日「失敗の可能性」に注意を向けていれば、RASはそれを最も重要だと判断し、失敗に関連する情報ばかりを集めるようになります。逆に、毎日「成功の可能性」に注意を向けていれば、RASはそれを重要だと判断し、成功に関連する情報を集めるようになるのです。

方法3:感情的な関与

RASは「感情的に関与したもの」をより重要だと判断します。単に知識的に「私は成功したい」と思うのではなく、「成功したい」という思いに深い感情を伴わせることが重要です。

催眠を使えば、この感情的な関与を深めることができます。催眠状態で成功のビジョンを見せられ、その時の感情を体験すれば、RASはより強くそのビジョンに関連する情報に注意を向けるようになるのです。

図解:RASが作り出す「複数の現実」

同じ状況から複数の現実を作り出すRAS

【外部状況】同じ状況:新しい競合が現れた

           ↓(RASのフィルタリング)

【人A】脅威を認識     → 防守的行動 → 衰退
      ↓
    RASの設定:
    「競合は脅威」
    「失敗は避けるべき」

【人B】チャンスを認識  → 積極的行動 → 成長
      ↓
    RASの設定:
    「競合は成長機会」
    「挑戦は価値がある」

【人C】協業を認識      → コラボ行動 → 拡大
      ↓
    RASの設定:
    「関係は協力可能」
    「協業は相乗効果」

複数の「現実」は実在する
あなたが見ている現実は、
あなたのRASが選んだ現実である

セルフワーク:あなたのRASを新しい「現実」にチューニングする

それでは、あなたのRASを、新しい「現実」を見るようにチューニングしてみましょう。

課題1:あなたが現在見ている「現実」を言語化する

あなたが今、人生をどのように見ているか。以下の質問に答えてください。

  • 人生は「困難」ですか、それとも「機会」ですか?
  • 人間関係は「複雑」ですか、それとも「成長の源」ですか?
  • ビジネス環境は「脅威的」ですか、それとも「機会に満ちている」ですか?

これらの答えが、あなたのRASが現在見ている「現実」です。

課題2:見たい「現実」を定義する

あなたが見たい「現実」は何ですか?課題1で見つけた「現在の現実」を、180度反転させてください。

例:「困難」→「機会」、「複雑」→「成長の源」

課題3:新しい現実のビジョンをリアルに構成する

その新しい「現実」が本当だったら、あなたの人生はどのように見えるでしょうか。詳細に描いてください。

例:もし人生が「機会」に満ちていたら、あなたは毎日何をしていますか?どのような人間関係を作っていますか?

課題4:催眠によるRASの書き換え

催眠状態に入った後、新しい現実を体験させてください。

「私は今、〇〇に満ちた人生に生きている。〇〇はどこにでもある。私は〇〇を認識し、〇〇に対応している」

このビジュアライゼーションと暗示を、毎日、繰り返してください。

課題5:日常のRASトレーニング

毎日、意識的に新しい「現実」に注意を向けてください。

例えば「困難」が見えたとき、意識的に「その中にはどのような機会があるか」と問い直す。その問い直しを毎日繰り返すことで、RASは自動的に新しい「現実」を見るようにチューニングされていきます。

まとめ

RASが見える世界を決めているということは、あなたが「現実を作っている」ということを意味します。同じ状況に直面しても、人によって異なる現実が見える。それは、RASが異なるフィルタリングをしているからなのです。

そして重要なのは、RASは常に変化可能だということです。あなたが新しい目標を持ち、新しい「現実」に注意を向け続ければ、RASは確実にあなたをその新しい現実へ導くのです。

催眠を使ってそのプロセスを加速させることで、あなたは劇的に異なる「現実」を見始めることができるのです。ぜひ、このセルフワークを通じて、新しい「現実」を自分のものにしてください。