13-07 | 自己肯定感が作れない理由—傷からの回復
はじめに
「自己肯定感を持ちましょう」という励ましを、多くの人が聞いたことがあるでしょう。
でも「自己肯定感を持つ」ことは「簡単ではない」と感じる人も多いはず。
なぜなら「自己肯定感の欠如」は「単なる『思い込み』ではなく『子供時代の深い傷から来ている』」からです。
この記事では「自己肯定感が作れない理由」と「それを回復するプロセス」について、見ていきます。
自己肯定感とは
「自己肯定感」とは「ありのままの自分を『良い』と思える感覚」です。
成績に関わらず、仕事の成果に関わらず「自分は、そのままで価値がある」という感覚。
これは「自信」とは異なります。
「自信」は「何か特定の能力について『自分はできる』と思うこと」
一方「自己肯定感」は「何ができるかに関わらず『自分は存在するだけで価値がある』と思うこと」
実は「自己肯定感の基盤」は「子供時代の『親からの無条件の承認』」で作られるんです。
親が「成績に関わらず『お前が存在することが素晴らしい』『お前のために親は喜んでいる』」というメッセージを伝えることで「子供の中に『無条件の自己肯定感』が形成」されるわけです。
自己肯定感を作ることができない理由
では、なぜ「自己肯定感を持つことが難しい」のか。
その理由は「子供時代に『無条件の承認』を受けていない」という経験です。
理由1:条件付きの愛
親が「〇〇ができたら愛する」「成績が良かったら褒める」という「条件付きの承認」しか与えなかった場合「自分の価値は『成果』で決まる」という学習が起こります。
その結果「どんなに成果を上げても『十分ではない』という不安」が消えません。
なぜなら『成果』は「常に『足りない』可能性を持っているから」です。
理由2:親からの拒否や否定
親が「お前はダメだ」「こんなこともできないのか」と繰り返し否定した場合「自分は価値がない存在だ」という根本的な信念が形成されます。
その信念は「いくら後で成功しても『実は自分はダメなんじゃないか』という不安」を作り続けるんです。
理由3:親との分離とアイデンティティの混同
子供は「親と自分を同一視」する傾向があります。
親が「自分をダメだと思っている」なら「子供も『自分をダメだと思う』」
その分離が「心理的に起こる」まで「親の自己評価が『子供の自己評価』になっているわけです。
自己肯定感の低さがもたらす結果
自己肯定感が低いことで「何が起こるのか」。
結果1:完璧主義
自分に価値がないと思っている人は「完璧であることで『価値を作ろう』とします。
その結果「常に『十分ではない』という焦りと『完璧を目指す』という疲れ」が人生の底流にあるわけです。
結果2:自己否定のループ
褒められると「そんなことない」と否定する。 成功しても「たまたまだ」と思う。 誰かが好きだと言っても「相手の見る目がおかしい」と思う。
つまり「どんな『肯定』も『否定』に変換」されてしまうわけです。
結果3:依存と支配
自分に価値がないと思っている人は「他者に依存」することで「その依存を通じて『自分の価値を確認』しようとします。
あるいは「他者を支配」することで「支配を通じて『自分の価値を確認』しようとするわけです。
結果4:選択の制限
自分に価値がないと思っている人は「自分に相応しい選択肢」を勝手に狭めてしまいます。
「こんな自分には『いい職業は無理』」 「こんな自分には『良い人間関係は無理』」
自己肯定感の回復
自己肯定感を回復させるプロセスには「いくつかの段階」があります。
段階1:子供時代の『無承認』の認識
自分が『親からの無条件の承認を受けていなかった』ことを認識する。
ここが大切なのは「その認識を通じて『自分は悪くない』『親の対応が、その時代の親の状況の反映だったんだ』という理解」が起こるからです。
段階2:『新しい承認の声』の内在化
親からの『無承認』に代わる『新しい承認の声』を『自分の中に』形成します。
これは「セルフアファメーション」とも呼ばれますが「毎日、自分に言い聞かせる『肯定的なメッセージ』」です。
例:「自分は存在するだけで価値がある」「自分は十分だ」「自分は愛される価値がある」
段階3:小さな成功体験の蓄積
「小さなこと」でいいから「自分ができた」という体験を蓄積させること。
その小さな成功体験が「潜在意識に『自分はできる』という証拠」として蓄積していくんです。
段階4:条件なしに『自分を認める』
最終的に「何か達成したから『自分を認める』」のではなく「何もしなくても『自分を認める』」という状態を目指します。
それが『真の自己肯定感』なわけです。
実例:自己肯定感の回復プロセス
高橋さん(40才、女性)は「常に『自分は十分ではない』という感覚」を持ち続けていました。
成績は良く、仕事も出来ていました。でも「常に『もっと上を目指すべき』という不安」が消えませんでした。
セッションを通じて「子供時代、親は『期待の親』だったこと」に気づきました。
成績が良くても「もっと良い大学に行け」 大学に入っても「もっと有名な企業に行け」
その「常に『次』を求める親」の対応が『内面化』され『今でも、自分自身が『常に『次』を求めている』」ことに気づいたんです。
その気づきから『新しい対話』が始まりました。
セッションの中で『大人の自分』が『子供の時代の自分』に「ね、ちょっと休もうか。今でも十分だよ」と言うプロセスを何度も繰り返しました。
その『新しい声』「たとえ何もしなくても『お前の存在は価値がある』」というメッセージが『潜在意識に刻み込まれ』始めたんです。
3ヶ月後「あ、最近『もっと』という声が小さくなってる」と気づいたと高橋さんは言いました。
完全に『自己肯定感が満たされた』わけではありません。でも「親からの『条件付きの承認』に支配されている状態」から「少しずつ『自分の価値を自分で認める』状態」へシフトし始めていたわけです。
セルフワーク:あなたの自己肯定感のレベルを知る
紙とペンを用意してください。
質問1:褒められると、どう感じますか?
- 素直に喜べる?
- 「そんなことない」と否定する?
- 不安になる?
質問2:失敗すると、どう評価しますか?
- 「これは学習だ」と思える?
- 「自分はダメだ」と思う?
- 極端に落ち込む?
質問3:子供時代、親からどんな『承認』を受けていましたか?
- 無条件の「お前が存在することが素晴らしい」?
- 条件付きの「このことができたら褒める」?
- ほぼ『承認』を受けていない?
質問4:今、「自分に価値がある」と感じられますか?
- 成果なしに、感じられる?
- 何か達成した時だけ、感じられる?
- ほぼ感じられない?
催眠による『自己肯定感』の構築
催眠セッションでは『新しい承認の声』を『潜在意識レベル』で『内在化』させることができます。
セッションの中で「あなたは存在するだけで価値がある」というメッセージが『繰り返され』『感じられ』『体験されます。
その『深い体験』が『潜在意識に刻み込まれ』ることで『自己肯定感』が『段階的に』構築されていくわけです。
まとめ
自己肯定感が作れない理由—傷からの回復:
- 自己肯定感は『親からの無条件の承認』で形成される
- それが無い場合『自分の価値は成果で決まる』という条件付きの信念が形成される
- その信念は『完璧主義』『自己否定のループ』『依存と支配』を生み出す
- 回復には『親の無承認の認識』『新しい承認の声の内在化』『小さな成功の蓄積』が必要
- 催眠を通じ『潜在意識レベルで新しい肯定的なメッセージ』を刻み込むことができる
最後の記事では「自分を傷つける行動」について見ていきます。つまり「なぜ、人間は『自分を傷つけるようなことをするのか』」についてです。