13-06 | 恋愛パターンと心の傷—同じ相手ばかり選ぶ理由
はじめに
多くの人が「なぜか、同じようなタイプの人と付き合ってしまう」という経験をしています。
タイプが違うと思っていても「付き合ってみたら、実は前の人と同じような問題が起きる」
その「パターンの繰り返し」は「偶然」ではなく「心理的な『無意識的な選択』」なんです。
この記事では「心の傷が『恋愛パターン』にどう影響するのか」を見ていきます。
「傷を癒そうとする選択」としての恋愛
ここで興味深い心理学的事実があります。
人間は「子供時代に受けた傷」を「大人になって『癒す』ために」その傷と同じようなパターンの人を選ぶことがあります。
例えば:
子供時代「親から無視された傷」がある場合、その人は「無視するような人」を選ぶことがあります。
一見「そんなバカなことがあるか」と思えるかもしれません。
でも「潜在意識のレベルでは『今度こそ、その無視を『克服』したい』『その無視が『実は愛情だったんだ』と証明したい』という動機」が働いているんです。
つまり「傷を『癒す』ために『同じ傷を何度も再現』しようとしている」という現象が起こっているわけです。
これを「トラウマの再現パターン」と呼びます。
「支配的な親」と「支配的なパートナー」
もう一つ典型的なパターンがあります。
「支配的な親」から「支配的な親のような態度を示すパートナー」を選ぶというパターンです。
子供時代「親に支配されていた」という経験がある場合、その子供は「大人になった時に『支配的なパートナー』を選ぶ」傾向があります。
これも「一見、奇異に見える」かもしれません。
でも「潜在意識のレベルでは『今度こそ、親の支配を『受け入れる』ことで『良い関係を作りたい』『親との関係を『修復』したい』」という動機が働いているんです。
つまり「子供時代の関係を『修復する場』として『恋愛関係』を選んでいる」わけです。
実例:恋愛パターンの追跡
中村さん(36才、女性)は「何度も何度も『似たようなタイプの男性』と付き合っていた」と気づきました。
そのタイプは「表面的には親切で支えてくれるように見えるけど『実は非常に支配的』」という男性。
中村さんが「何か自分のしたいことを言う」と「それは『お前のためにならない』『お前は判断力がない』『俺の言うことを聞いた方がいい』」と言われる。
最初はそれを「愛情」だと思っていた。
でも「何年も付き合っているうちに『あ、これは支配だ』と気づく」
その関係から「やっぱり自分には相応しくない」と別れる。
でも「数年後『また同じようなタイプの男性』を選んでいる」
この繰り返しが「何度もあった」というわけです。
セッションで子供時代を探ると「父親が『妻と子供を支配する』というタイプだった」という事実が浮かび上がった。
中村さんの母親は「父親に従順で『自分の意見をほぼ持たない』という人だった」
つまり「子供時代、中村さんは『支配的な人間関係の中で過ごした』」
そして「大人になった時『同じようなパターンの人を選ぶ』ことで『今度こそ、親のような人との関係を成功させたい』という潜在的な動機に基づいて『支配的なパートナー』を選んでいたわけです。
なぜ「同じパターン」を繰り返すのか
この「トラウマの再現パターン」が起こるのは「いくつかの理由」があります。
理由1:「馴染みの感覚」
その「パターン」が「子供時代から『当たり前』」だったため「その『当たり前』を探している」んです。
つまり「新しい、健全な関係」より「『馴染みの(たとえ傷つく)パターン』」の方が「心理的には『安全』に感じられ」るわけです。
理由2:「無意識的な『癒しの試み』」
「今度こそ『うまくいく』ことで『子供時代の傷を癒す』」という潜在的な動機。
つまり「同じパターンを何度も繰り返すことで『修復』を試みている」わけです。
理由3:「自己実現的予言」
「自分は『支配的な関係しか選べない人間だ』という思い込み」に基づいて「それに合う現実を作る」ということです。
恋愛パターンの「気づき」と「変更」
この「繰り返すパターン」から抜け出すためには「気づき」が必須です。
つまり「あ、自分は『同じパターンを何度も繰り返している』」という認識。
その「気づき」の後「新しい選択」ができるようになるんです。
つまり「馴染みの『傷つく関係』ではなく『新しい、健全な関係』を選ぶこと」。
ただし、これは「思考だけでは変わらない」。
なぜなら「その『馴染みの感覚』は『神経系の深いレベル』で刻み込まれているから」です。
だから「催眠を使うことで『神経系のレベルで新しいパターンを学習する』」ことが、有効になってくるわけです。
セルフワーク:あなたの「恋愛パターン」を見つける
紙とペンを用意してください。
ステップ1:あなたが付き合ってきた人たちの「共通点」を見つける
これまで付き合ってきた人たち(または好きになってきた人たち)の中に「共通点」はありませんか?
- 性格的な特徴?
- 態度や行動?
- その人がしてくることへの反応?
できるだけ客観的に、書き出してください。
ステップ2:その「共通点」を「親の特徴」と比べる
その「共通点」は「親の特徴」と似ていませんか?
特に「親が自分に対してしていたこと」と比べてください。
ステップ3:その「パターンの中で何が起こっているか」を見つける
その「パターン」の関係の中で「毎回、同じようなことが起こっていない」か?
同じような葛藤が起こったり、同じような形で別れたり、していないか?
ステップ4:そのパターンから「何を学習している」のか、見つける
そのパターンの中で「あなたは何を『証明』しようとしている」のか?
「親の愛を得る」?「親との関係を修復する」?「自分は愛されるべき人間だ」?
ステップ5:「別の選択」を想像する
もし「新しい、別のパターンの人を選んだら」何が起こると思いますか?
それは「怖い」ですか?「新しい」ですか?「不安定」に感じますか?
催眠による恋愛パターンの変更
催眠セッションでは「恋愛パターンの変更」に取り組むことができます。
セッションの中で「新しい、健全な関係のイメージ」を何度も体験させることで「神経系が『これが新しい馴染みの感覚』として学習」し始めるんです。
その結果「意識的には『同じパターンを選ぶべきではない』と思いながら『無意識的には『新しいパターン』を選ぶようになる』」という変化が起こります。
まとめ
恋愛パターンと心の傷:
- 人間は『子供時代の傷』と『同じようなパターン』を選ぶことがある
- それは『癒す』ために『同じ傷を再現』しようとするパターン
- 「馴染みの感覚」と「無意識的な癒しの試み」が、この繰り返しを作る
- 「気づき」が『新しい選択』の第一歩
- 催眠セッションを通じ『神経系レベルで新しいパターンを学習』できる
次の記事では「自己肯定感」について見ていきます。つまり「なぜ、傷を持つ人は『自己肯定感が持ちにくい』のか」ということについてです。