06-08 | 愛される自分になりたいあなたへ—愛の本当の形
あなたは、「もっと愛されたい」と思ったことはないでしょうか?
誰かに認められたい。大切にされたい。受け入れてもらいたい。これは、人間として、とても自然な願いです。
ですが、その「愛されたい」という願いが、強くなりすぎると、人は、かえって苦しくなっていきます。
愛されるために、無理をする。嫌われないように、本音を隠す。相手に合わせて、自分を曲げる。そうやって、自分をすり減らしていく人を、私は何人も見てきました。
私は催眠セッションを通じて、のべ3000件以上の催眠を行ってきました。その中で、「愛」をめぐる苦しみが、いかに深いものかを、感じてきました。
今日は、「愛される」とは本当はどういうことなのか。愛の本当の形について、お話ししていきます。
「愛されよう」とするほど、苦しくなる
まず、お伝えしたいことがあります。
「愛されよう」と頑張るほど、人は、苦しくなっていきます。
なぜでしょうか。
「愛されよう」とするとき、私たちは、無意識に、こう考えています。「今のままの自分では、愛されない」。
だから、もっと頑張らなきゃ。もっといい人にならなきゃ。もっと役に立たなきゃ。
つまり、「愛されよう」という頑張りの根っこには、「ありのままの自分は、愛されるに値しない」という、自己否定が隠れているのです。
そして、そのスタンスで誰かに愛されたとしても、心は満たされません。
なぜなら、「頑張っている自分」が愛されているだけで、「ありのままの自分」は、愛されていないと感じるからです。
だから、いつまでも、不安が消えません。「頑張るのをやめたら、愛されなくなるかもしれない」と。
条件付きの愛と、無条件の愛
ここで、二つの愛について、お話しします。
一つは、「条件付きの愛」です。
「いい成績を取ったら、ほめてもらえる」 「役に立てば、認めてもらえる」 「期待に応えれば、愛してもらえる」
これは、何かの「条件」を満たすことで得られる愛です。
多くの人が、子どもの頃から、この「条件付きの愛」の中で育ちます。だから、無意識に、「愛されるには、条件を満たさなければ」と思い込んでいるのです。
ですが、もう一つ、別の愛があります。
それが、「無条件の愛」です。
「あなたが、何ができても、できなくても」 「あなたが、成功しても、失敗しても」 「あなたが、ただ、あなたであるだけで」
そのままのあなたを、受け入れる。それが、無条件の愛です。
そして、人が本当に求めているのは、実は、この「無条件の愛」なのです。
まず、自分が自分を愛する
では、どうすれば、無条件の愛を得られるのでしょうか。
ここに、大切な逆説があります。
他人から無条件の愛を得ようとする前に、まず、あなた自身が、あなたを無条件に愛する必要があるのです。
これを聞いて、「自分を愛するなんて、わがままでは?」と思う人もいるかもしれません。
ですが、違います。
自分を愛するとは、「ありのままの自分を、受け入れる」ということです。
「できない自分も、いていい」 「弱い自分も、いていい」 「ダメなところがある自分も、いていい」
そう、自分に許可を出すことです。
不思議なことに、自分で自分を受け入れられるようになると、他人からの愛を、過剰に求めなくなります。なぜなら、愛の土台が、すでに自分の中にあるからです。
そして、自分を満たしている人のほうが、結果的に、まわりからも自然に愛されるようになっていくのです。
あるセッションの事例
30代の女性・Mさんのセッションでのことです。
Mさんは、恋愛がうまくいかないことで、悩んでいました。付き合っても、相手に尽くしすぎて、最後には疲れ果ててしまう。「私は、愛されないんだ」と、彼女は言いました。
催眠の中で、Mさんは、ある気づきにたどり着きました。
彼女は、相手に尽くすことで、愛を「買おう」としていたのです。「これだけ尽くせば、愛してもらえるはず」と。
その根っこには、子どもの頃、忙しい親に振り向いてもらうために、ずっと「いい子」を演じてきた記憶がありました。「何かをしないと、愛されない」。その思い込みが、大人になっても、彼女を縛っていたのです。
私はMさんに、深い催眠状態の中で、こう語りかけました。「あなたは、何もしなくても、愛されるに値する存在ですよ」。
Mさんの目から、涙がこぼれました。これまで、誰にも、そう言ってもらえなかった。何より、自分自身が、自分にそう言ってあげられなかったのです。
そのセッションの後、Mさんは、少しずつ変わっていきました。相手に尽くしすぎるのをやめ、まず、自分を大切にするようになったのです。すると、不思議と、対等で穏やかな関係を、築けるようになっていきました。
与える愛と、求める愛
ここで、愛について、もう一つ大切なことをお伝えします。
愛には、二つの方向があります。
一つは、「求める愛」です。「愛されたい」「認められたい」「大切にされたい」。相手から、何かを受け取ろうとする愛です。
もう一つは、「与える愛」です。相手の幸せを願う。相手を大切にする。見返りを求めずに、ただ、相手を思う。
そして、面白いことに、「求める愛」ばかりの人は、なかなか満たされません。一方、「与える愛」を知っている人は、心が満たされていきます。
なぜでしょうか。
「求める愛」は、いつも、相手次第です。相手が応えてくれるかどうかで、心が揺れます。だから、不安が、つきまといます。
ですが、「与える愛」は、自分から始まります。相手がどう反応しようと、与えること自体に、喜びがあります。
40代の女性・Vさんは、ずっと「愛されたい」と求めて生きてきました。ですが、いくら求めても、満たされませんでした。
催眠の中で、Vさんは、視点が変わる体験をしました。「私は、誰かを、心から大切にしたことがあっただろうか?」と。
その後、Vさんは、まわりの人を、見返りを求めずに大切にし始めました。すると、不思議なことに、彼女自身の心が、温かく満たされていったのです。
もちろん、自分をすり減らしてまで尽くす、という意味では、ありません。自分を満たしたうえで、その溢れた分を、人に分けていく。それが、本当の「与える愛」です。
求めるだけでなく、与えることを知ったとき、人は、愛の本当の豊かさに、出会うのです。
あなた自身でできるセルフワーク
ここで、あなた自身でできる、セルフワークをお伝えします。
まず、鏡の前に立ってみてください。
そして、鏡の中の自分に、こう言ってあげてください。
「あなたは、そのままで、大丈夫だよ」 「何もできなくても、私はあなたを受け入れるよ」
最初は、照れくさいかもしれません。言葉が、すんなり出てこないかもしれません。
ですが、毎日続けていくうちに、その言葉が、少しずつ、心に染み込んでいきます。
もう一つ。一日の終わりに、こう自分に問いかけてみてください。
「今日、自分のために、何か一つ、優しいことをしてあげただろうか?」
ゆっくりお風呂に入る。好きなものを食べる。少し早く寝る。どんな小さなことでも構いません。
自分を大切に扱うことが、自分を愛することの、第一歩です。
ぜひ、今日から、自分を大切にする習慣を、一つ始めてみてください。
愛は、外から与えられるものではない
最後に、大切なことをお伝えします。
愛は、外から与えてもらうものではありません。
愛は、まず、あなたの中から始まります。
あなたが、あなた自身を受け入れ、大切にしたとき、その温かさが、まわりにも自然に広がっていきます。そして、そのとき初めて、あなたは、本当の意味で、人と愛し合えるようになるのです。
「愛されたい」と外に求め続ける人は、いつまでも満たされません。 「自分を愛する」ことから始めた人は、やがて、愛で満たされていきます。
私が催眠を通じて見守ってきたのは、「愛されよう」と必死だった人たちが、自分自身を受け入れることで、穏やかに満たされていく姿でした。
催眠という技術は、「ありのままの自分は愛されない」という、心の奥に刻まれた思い込みを見つけ出し、それを優しく書き換える手助けをすることができます。深層意識のレベルで、「自分は、そのままで愛されるに値する」という感覚を、取り戻していくことができるのです。
あなたは、もう、愛を求めて、自分をすり減らさなくて大丈夫です。
ぜひ、まずは、ありのままのあなた自身を、抱きしめてあげてください。その温かさが、あなたの世界を、愛で満たしていきます。